痔の治療-ジオン注射-

お尻の悩みは、人類が二足歩行をしてからつきないものであったにも関わらず、気軽に他人に相談出来ることではありません。

文明が発達した現代でも同様であると思われます。

「私は痔です。」と来院される患者さんの中には、痔でない患者さんもたくさんおられます。

ちょっとしたアドバイスですっきりとした気持ち、体(お尻)になることも多いのです。

若い方も意外と多い疾患です。

また、初老、中高年の方で「こんなに簡単に治るなら、数十年の間悩むんじゃなかった!」なんて嘆いておられる患者さんもいます。

最初はお尻?が重いかもしれませんが、思い切って診察にいらして下さい。

痔の種類

痔には大きく分けて下記の3種類に分類されます。

  • いぼ痔
  • 切れ痔
  • あな痔

いぼ痔

いぼ痔は血管の一部がコブ状に腫れた状態です。

直腸の粘膜部分で発生する内痔核と肛門の皮膚の部分で発生する外痔核があります。

原因

便秘や下痢、いきみの繰り返しなど肛門に負担がかかり、腫れてしまう事で起こります。

症状

通常は痛みを伴わず、排便時に血が出る、便が残っている気がする、肛門から痔核が外へ出ているなどの症状が見られます。

切れ痔

肛門付近の皮膚が裂けている状態です。

特に20〜40代の女性に多く見られる痔です。

原因

硬い便を出す時や勢いよく出る下痢などによって肛門の皮膚が切れて起こります。

症状

排便時やその後も痛みが続くことがあります。

出血は紙につく程度の少量です。

あな痔(痔瘻)

肛門の周りに膿が貯まり、直腸と皮膚がトンネル状につながった状態です。

男性に多く見られる痔です。

原因

肛門の歯状線と呼ばれる部位から細菌が入り込む事で肛門線が化膿し、肛門周囲に膿が貯まります。

膿が溜まった袋が自然に破れ、膿が排出されて自然になることもありますが、多くは膿の管が残った状態になります。

ストレスやアルコールの摂取、軟便が原因で起こると言われています。

症状

肛門周囲に膿瘍ができた場合は、38〜39℃の発熱や激しい痛みが見られます。

また、膿が出ることによって下着が汚れます。

ジオン注射とは?

痔で悩まれている患者さんの多くは「いぼ痔(痔核)」によるものです。

当院では、いぼ痔に対してジオン注射という方法を用いて治療を行なっています。

ジオン注射とは、ALTA注射療法と呼ばれる2005年から開始された新しい治療方法です。

いぼ痔などの肛門の内側にできた内痔核に対して、4段階に分けて注射を行います。

痔を切らずに直す治療法で、外科手術と同様の治癒率があると言われています。

ジオンとは?

ジオン注射ではジオンと呼ばれる薬剤を痔核に注射します。

ジオンは出血を抑えて脱出症状を改善する「硫酸アルミニウムカリウム水和物」とその働きを調整する「タンニン酸」を有効成分とした硬化剤です。

硬化剤を注射することで、痔に流れ込む血液量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる作用があります。

ジオン注射のメリット

ジオン注射は手術と同様の治療効果が得られ、出血や痛みを抑えることができます。

ジオン注射には次のようなメリットがあります。

  • 痛みを感じない部分に注射をするため、傷口の痛みの心配がない
  • 傷口がないので出血がない
  • 健康保険が適応されるため、手術よりも治療費を安く済ませられる
  • 注射後は翌日から排便と入浴が可能

ジオン注射の方法

痔核の4箇所に注射

ジオン注射を痔核を「四段階注射法」と呼ばれる方法で、4箇所に分けて注射を行います。

4箇所とは、①痔核上部の粘膜下層、②痔核中央の粘膜下層、③痔核中央の粘膜固有層、④痔核下部の粘膜下層のことを指します。

この4箇所に注射することにより、幹部に薬液が十分浸透することにつながります。

正しい位置に正確な薬液を注入するためには、高い技術と経験が必要になります。

「四段階注射法」を行うためには、痔核治療の経験が豊富で「四段階注射法」の講習を受けた医師のみが施行することができます。

注射後は痔核本体が縮小

注射後は、痔核に流れ込む血液が遮断されることにより、痔核そのものが縮小を始めます。

これにより脱肛の程度が軽くなります。

術後は1週間から1ヶ月ほどかけて痔核本体が小さくなり、引き伸ばされていた周りの組織が元の位置に戻り、脱出が見られなくなります。

ジオン注射の副作用

注射部位の痛み、腫れ、発熱、肛門部の重たい感覚などが見られることがあります。

ジオン注射は日帰り手術

いぼ痔(内痔核)に関して以前は入院による手術治療しかありませんでした。

現在は、ジオン注の使用が可能になり手術と同程度、それ以上の治療効果が期待できます。

ジオン注射が受けられるのは伊丹市で3施設のみ

現在、ジオン注の使用可能な施設は、伊丹市では当院を含めて3施設のみです。

その3施設の中でも、外来治療をしているのは当院のみです。

可能な限り患者さんのニーズに応じ、治療を心がけています。

術後の痛みは、ほとんど感じることなく日常生活に戻ることができ、患者さんに非常に喜ばれています。

ジオン注を最近は肛門脱(脱肛)などにも使用して良好な経過を得ています。まずは、ご相談、診察にいらしてください。

ジオン注射のQ&A

Q.ジオン注射は保険で受けることができますか?

保険で受けることができます。

私も最近知ったのですが、保険の効かない痔専門の開業医が結構いることに驚いています。

また、そういったところでの値段の高さに驚いています。

基本的に保険の効かない治療はないと考えてください。

ですから、きちんと保険が効く病院での治療をお勧めします。

治療内容、サービス内容は、ほとんど変わらないと思っていただいて構いません。